改名して18年ロングヒット!「秘密を守りきります!」開発秘話

ITEM
秘密を守りきります!
発売日:2006年1月23日
個人情報が記載された宅配物の伝票や明細書などを細かく裁断できるハサミ型シュレッダー。使いたい時にサッと取り出せるコンパクトさが魅力です。
商品の詳細ページはこちら
目次

こんにちは!アーネスト株式会社、広報販促課のホシです。
今回は弊社の顔ともいえるハサミ型シュレッダー「秘密を守りきります!」の開発秘話をお届けします。
インタビューさせてもらうのは弊社の社長、鈴木です。
なんでもこの商品、元々は違う用途の商品だったようで…?
詳しく聞いていこうと思います!

▲弊社社長の鈴木。「秘密を守りきります!」発売当時は営業だったそうです。

 

最初は海苔用?!でも全然売れなかった…

── 元々こちらの商品は今と違うものだったと聞いているのですが…どういう商品だったのでしょうか?

元々は「きざみ海苔ができます!」という調理用のハサミでした。
最大の特長はこの5枚刃。
一度に5回分切れるから、「板海苔をきざみ海苔にするのがカンタン」というのが売りだったんですけど…残念ながらあまり売れなかったですね。

▲「きざみ海苔ができます!」。ネギや大葉など他の食材にも使えます。

── そうだったんですね。大葉の千切りはよくやるので個人的には便利そうなのですが…。
売れない理由はなんだったのでしょうか?

う~ん。商品の性能よりも1800円という値段に「高い」というお声がありましたね。
当初の予定だと一年間で1万2000本の売上を見込んでいたんですが、およそ半分ほどしか売れなくて。
商品のニーズと値段が合っていないなと感じました。
ただ、原価が元々高い商品だったし、品質を落とすわけにはいかないから値段も落とせなかったんです。

原価・・・商品を作る際にかかるお金のこと。材料以外にもパッケージにかかる費用や実際に作るための作業費なども入ります。

 

あわや廃盤…救ったのは取引先さんの一言!

──「秘密を守りきります!」に生まれ変わったきっかけはなんだったのでしょうか?

取引先の方が「シュレッダーにしてみたらいいんじゃない?」と言ってくれたのがきっかけですね。
ちょうど前年に個人情報保護法が施行されたのもあって、個人情報を守ろうって意識が強まっていたんです。
住所が記載されている郵便物や銀行の明細なんかをそのまま捨てるのは危ないっていう感じで。

── なるほど!時代的な流れもあったんですね。

そうそう。後は当時、電動型シュレッダーでの事故が結構あって。
指やネクタイが吸い込まれて大ケガをするっていう…。
ハサミも刃物だからケガはあり得るけれど、シュレッダーと違ってなじみ深いし、きっと扱いやすいんじゃないかなと。
そういう背景もあったから「作ろう」と思いましたね。

── 方針を変えた時、社内での反応はどうでした?

やってみよう!って前向きな反応でしたね。特に反発もなく。

── 意外!キッチングッズから文具となると売り場や売り方も相当変わるし、反発もありそうですが…。

うーん…確かに売り場は大きく変わるけれど、元々アーネストは個性的な商品が多いから(笑)。
商品に合わせて売り場の開拓をするのも珍しくなかったので。

それに商品自体は持ち手のカラーとパッケージを変えるだけだったのもハードルが低かったのかな。
新しく金型を起こすわけでもないし、費用面から見ても会社の理解が得られましたね。

金型・・・商品を成形するときに使う金属の型。樹脂製品はほぼ金型で成形しています。

▲左:秘密を守りきります! 右:きざみ海苔ができます!

 

商品そのまま!改名だけで年間20万本売れる大ヒット商品へ

── 改名して1年間で20万本売り上げる大ヒット商品になったわけですが、当時の反応はどうでしたか?

すごい反響でしたね。いける!と思ったもののここまでとは、と驚きました。
カラー変更はしましたが、商品自体はまったく同じだったので。
改めてネーミングやコンセプトの重要性を感じました。

── 売り場ではどんな工夫をしましたか?

実際に体験してもらうのが一番だと思ったから、お客さんが試せるようなコーナーを作ってもらったりしました。
5本刃っていうとちょっと使いにくそうと思われるけれど、実際に切ってもらうと良さが伝わるから。
売れるお店だと一日100本とか売れたこともありましたね。

── 1800円の商品だから1日18万円と思うとすごいですね。

確かに文房具屋さんにも喜ばれました。高単価の商品が売れると助かるって。
家庭用で使う分には名前や住所の「見られたくないところだけ」切れればいいから。
ハサミ型っていうサイズ感と手軽さがハマったんだと思います。

── 確かに。ちょっと切りたいだけならこのサイズで十分ですもんね。

そうそう。重要なところだけ切りたいってニーズがあったんだと思います。
音も静かなのも良くて。アパートとかでも響かないし、家族を起こしてしまう心配もないですしね。

▲実際に切ってみた様子。あっという間に紙吹雪に。やってみると楽しいです。

 

発売から18年、愛され続ける理由は?

── 2006年の発売から今年で18年経ちますが、ロングヒットの理由はなんでしょうか?

もう18年か。そうですね、機能でいえばやっぱり置き型のシュレッダーにはない手軽さだと思います。
それと…元々は海苔用で改名して売れた、という背景でしょうか。
この話を面白がってもらえてメディアにも毎年取り上げていただいているし、あの苦い思い出があるからこそ今も風化せず愛されているんだと思います。

18年経ったとはいえ、まだまだ「秘密を守りきります!」を知らない人も多いですから、そういった方に便利なものがあることを知ってもらえるよう、これからも努力していきたいですね。

 

社長、ありがとうございました。
「秘密を守りきります!」開発秘話、いかがだったでしょうか?

皆さんも郵便物などを捨てる際は個人情報が漏れないようどうか気を付けて!
もしよければ「秘密を守りきります!」使ってみてくださいね。

詳しい商品情報はこちら

 

文章・ホシ / 撮影・セキネ

この記事を書いた人
ホシ 広報販促課

フォントと漫画とラーメンが好き。主に撮影や販促物のデザインを担当している。
好きな商品は「おかおごはんde1年生」。
オススメのお店は「ブルックリン (パン屋/長岡市) 」。

この記事を書いた人
ホシ 広報販促課

フォントと漫画とラーメンが好き。主に撮影や販促物のデザインを担当している。
好きな商品は「おかおごはんde1年生」。
オススメのお店は「ブルックリン (パン屋/長岡市) 」。